2006年02月05日

アイシテアゲル(オオフリ:高瀬×島崎)

「・・・・・・この時期になると、凄いですねぇ」

 山ノ井と河合と島崎、そして高瀬。
 途中まで帰り道が同じ四人は、練習が終わったあと、もうすっかり日の沈んだ帰り道を足早に歩いている。
 その途中で、高瀬が店先に立てられたピンク色の旗を見て、ポツリと呟いた。
 可愛らしい文字で書かれている単語は、バレンタイン。製菓会社の陰謀だと知りつつも、すっかり告白の日だと定着してしまった日本では、男女共にこの2月14日を心待ちにする者が多い。島崎もその一人だったりする。

「今年は幾つ貰えっかなぁ・・・・・」

 嬉しそうに頬を緩める表情は、どことなく色気があっていやらしい。高瀬はそれに見惚れつつも、意外な気持ちだった。

「慎吾さんも、バレンタインとか気にするほうなんですか?」

 必要以上にもてていて軽い感じのする島崎は、くれれば貰うが、積極的に欲しいと思うタイプではないと思っていた。高瀬もどちらかといえばそのタイプだ。
 高瀬の考えが分かるのか、山ノ井はあははと笑う。

「慎吾はねぇ、甘いもの大好きだから。チョコが店に出だすと、自分で買っちゃうくらい。バレンタインは、タダで高級チョコを一杯貰える天国みたいな日だよねぇ」
「そうそう。去年なんか、BABBIとかDEMELのチョコがあってさ、すっげぇ上手かった。あ、あとカストナーも最高だったなぁ。バラッティ&ミラーノとか、マルキーズとか・・・・」

 去年の収穫を思い出し、次々とブランドや商品の名前を挙げるが、それを正確に理解できる者はいない。河合と高瀬は、何一つ分からなかった。

「BABBIとDEMELは確か高級チョコのブランドだったかなぁ。あとは商品名だったと思うけど・・・・・どれも高いよ。トリュフが一個五百円以上するらしいし」

 去年のバレンタイン、散々自慢―――というよりは嬉しさを知って欲しかっただけだろう―――された山ノ井は、一年前の記憶を掘り出してみる。
 すると予想通り、メオトは驚いて目を見張った。

「トリュフって確か、あの一口サイズの丸いチョコですよね? アレが五百円!? 信じらんねぇ・・・・・」

 甘い物をそれほど好まない高瀬は、今までくれた物の中にもそんなのがあったのだとしたら、申し訳ない気持ちになり少々青ざめる。しかし河合は、お姉さまより年下にもてるため手作りが多く、凄いなぁと思うだけだった。

「準太も今年は高いの一杯くれると思うよ? 高校と中学だと、全然金の掛け方が違うからねぇ。特に三年のお姉様とかはね〜」

 島崎のように割り切って、高級チョコが貰えて嬉しいなどと思える性格でない高瀬に、山ノ井は面白そうに言う。
 そして島崎には、意地悪く囁いた。

「けど、慎吾は減っちゃうかもね。社会人のお姉さまから、貰えなくなるから」

 高瀬と島崎は、ビクッと肩を震わせ、焦る。
 去年、というより、今まで高級チョコを多く貰っていたのは、島崎が誘われるままに年上の女性と付き合っていたからだ。しかし何を間違ったのか、年下の同性と付き合うようになった島崎は、他とは完全に手を切っている。もともと遊びに近い感覚で会っていたのだ。何のメリットもない相手に、年上の女性が高いチョコなど送らないだろう。
 ぼけっとしているようで鋭い山ノ井に隠し通せると思ってはいなかったが、こんな風に口に出されると、やはり心臓に悪い。
 高瀬は急いで別の話題に移す。
 その不自然さに、河合が首を傾げたのだった。



 そして数日後。

「やっぱり残念だったりします?」

 二月に入り少しずつ校内も浮かれだした頃に、高瀬が何の脈略もなく問いかけた。

「んあ?」

 当たり前だが、なんのことだと島崎は雑誌から視線を外した。部屋で寛いでいるため、手には板チョコがある。
 それをじっと見て、高瀬はもう一度詳しく繰り返す。

「チョコを貰えないのって、やっぱり残念だったりします?」
「そりゃそうだろ」

 少し沈んだ声に、島崎は即答する。それは高瀬を落ち込ませるに、充分だった。
 目に見えて気を落とす高瀬を見て、つい本音を言ってしまったことに、島崎は少々後悔する。いつもは一年生をからかって遊ぶ島崎だが、今はふざけていいような雰囲気ではない。
 手間のかかる恋人に微苦笑を浮かべ、軽く頭を叩いた。

「あのねぇ、じゅんちゃん。俺はただ単にチョコっていう甘い物が欲しいんであって、お姉さまの気持ちが貰いたいわけじゃないの。そのくらい分かるでしょうに」

 幼い子供に言い聞かせるような口調だが、その奥には愛情が見える。
 高瀬は小さな嫉妬をしてしまったことに恥しさを覚え、やはりまだまだ子供っぽい自分に軽い嫌悪を感じる。
 またまた落ち込んでしまった高瀬に、今度はわしゃわしゃと髪をかき回した。

「暗い空気を漂わせない。今年は貰えなくなったチョコの分、準太が一杯愛してくれるんだろ?」

 何でもお見通しの恋人は、くすりと笑って挑発する。それは高瀬を気遣ってのものだ。親しみやすいようで距離を置く島崎に、こんな風に気遣ってもらえるのは、彼のテリトリーに入っているからだろう。島崎の内側にいる数少ない者という事実に、高瀬の機嫌は急上昇する。

「もちろんですよ。いらないって言うくらい、あげますから」

 置かれた板チョコを歯でパキンとわり、欠片を銜えてキスをした。
 島崎もソレを受け入れるように、唇を開ける。
 ミルクたっぷりのチョコレートが、二人の舌の上で溶けていった。




珍しく連続更新。
半年以上前ということで、少々幼くしたつもりの二人ですが・・・・ハイ、つもりだけですね;
で、私はうっかり気付いちゃいました。
指定物じゃない更新て、凄く久しぶりじゃないのか、ということに。
ちょびっとショックを受けた管理人です。(涙)
キャンディキス(一般的には恋人同士が口移しで飴をやり取りすること。甘さを含む味覚をやり取りする場合にも使われる)

ニックネーム 朝乃旭 at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | オオフリ:高瀬×島崎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月04日

セックスフレンド(オオフリ:呂佳×島崎 R-15)

※呂佳島とありますが、原作に出ていない以上、呂佳の名を借りたオリキャラだと思います。
 しかも慎吾さんもなんだかアレだし、R-15もないかもしれません。
 それでもよければどうぞ、お読みください〜。






 軽く口付けを交わす。
 少し離れて、見つめ合う。
 ぺろりと舌先で唇を舐めて。
 くすぐったさに少し開いた口内へ、濡れた舌を挿し込む。
 そして、ゆっくりと巧みにかき回す。
 焦りの少ない年上のセックスは、大体こうやって始まる。
 性欲を外側から引き出すのではなく、快感を内側から煽るようなキスは、フワフワと気持ち良く気分的にも幸せだと感じられた。
 肉体経験だけが豊富な自分とは違うと、はっきり分かる。
 女性扱いに近い優しい手付きにも、屈辱ではなく安堵を与えられるのは、年齢の差かそれとも彼自身の雰囲気か。

「ろか、さ・・・・・・」

 舌先がビリビリと痺れ腹の奥がむずかゆくて、鼻に掛かった甘えた声を出す。
 きっとこんな自分はこの人しか知らないだろうし、この人以外でこんな真似は出来ないと思う。

「脱がせてくれる?」

 年下の焦りに、からかうでもなく優しい笑みを浮かべて、力の入っていない手をボタンへ触れさせる。慎吾は促されるままにシャツのボタンを外し、呂佳が自分を脱がしやすいようにと肘を上げ、膝を開く。
 従順な様に、楽しそうに弧を描いた唇は、服の上から感じる場所にキスをする。その後を追うように、優雅な外見に似合わず節くれだった大きな手は、肌を柔らかく刺激しながら前を肌蹴させていく。
 服を脱がすというだけでも、相手によれば立派な愛撫に代わった。慎吾も同じようにと試みたことはあるが、つい相手の動きを追ってしまい、ただ脱がせるだけになってしまう。こんな些細なことでも男として歴然の差を見せ付けられているようなのに、それを不快に思わない。ただただ、呂佳が待ち遠しい。
 指がズボンに触れると、期待から腰が浮き上がってしまう。恥しいとも感じるが、全部を受け入れるような呂佳の笑顔の前だと、欲望に忠実になる。
 軽いとはいえない慎吾の足を持ち上げ、太腿に触れながらズボンを下ろす。そして、もうきついくらいに張り詰めている下着に手をかける。途中、際どい太腿の内側にキスをし、そのままゆっくりとスライドしながら、爪先にまで口づける。入浴したとはいえ、あまりキレイだといえない場所に唇をつけられるのは、まるで自分が尊い存在とだと言われているようで、ゾクゾクと肌が泡立った。
 まだ何もされていないのに、息が上がる。自身が軽く濡れたのにも気付いた。

「一度、極めておこうか」

 若い様子に喉を鳴らした呂佳は、震えている慎吾のものを、一瞬の躊躇もなく口の中に銜えこんだ。

「ヒッ、ろ、かさっ!」

 ねっとりとした熱い口内に刺激され、上ずった声が漏れる。しかしそこに不快の色はない。
 焦らすわけでもなく射精を促すわけでもない、ゆったりとした呂佳の舌技は、下半身が溶けるような錯覚を覚えるくらい気持ちがいい。我慢などしたいとも思えず、五分も掛からずに呂佳の口内へ放ってしまう。
 それでも初めて肌を合わせたときよりは、ずっと辛抱できるようになったのだ。慎吾に耐え性がないのではなく、それだけ呂佳が巧みだということだろう。
 日本人離れした容姿と、落ち着きのある呂佳だ。きっと、年上の女性からよく好かれたのだと、簡単に想像出来てしまう。

「ん、いっぱい出たね」

 全て飲み干した呂佳は、口元を拭いながら言う。相手の羞恥心を煽るために口にしたのではなく、ただの感想だ。それでも、まるで天使だと称されても違和感のない容姿を持つ彼にそんなことを言われては、全身が熱くなる。

「ああ、ごめんね。そんなつもりじゃなかったんだけど」

 俯いてしまった慎吾の感情を敏感に感じ取った呂佳は、髪にキスをしながら謝罪する。
 自分の機微を察してくれ、ストレートに感情表現をされると、自分が特別だと感じる。一緒にいる者を、当たり前のように幸せな気分にしてくれる男だ。
 これだけの男が誰とも長続きしなかったのは、きっと女性の方が、彼の興味を引くものなら、本にさえも嫉妬しそうだからだろう。
 あながち外れてはいないだろうと思うと、自然を笑がこみ上げてくる。
 呂佳がどうしたのかと覗き込むが、慎吾は軽く首を振り、自分から口付けをした。
 先を促す行為に、呂佳はもう追求せず愛撫を再開する。やはりその指は優しく、妖しく、艶がある。
 その手つきに感じながら、慎吾は思う。
 こうして肌を重ねることに、恋愛感情がなくてよかったと。
 そうでなければ、きっと自分も、彼の回り全てに嫉妬してしまいそうだから。





キラキラ呂佳。
こんなん現実にいねーよと思いますが、あれです。所詮ふぁんたじーですからw
馬鹿の頭がさらに悪くなったと思って、鼻で笑ってください。
あとこれ、お題としてキス。種類はスライディングキス。(首筋から指先、太腿からつま先、のように唇を滑らせるキス)
本文ではすっげさらっと流されてるから、隠れお題で。別ジャンルではお題! って感じで書いてるんですけど、こういうのもいいかなと。何か珍しいキスの種類を知っている方は教えて頂けると嬉しいです! お礼は私の小説で!(イラネ)
ニックネーム 朝乃旭 at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | オオフリ:その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月29日

暗闇とネオン(オオフリ:利央×島崎 R-18)

 会社の定時が過ぎた人気の無い社内は静かで、少しの音でも響いた。
 反響して自分の声にステレオが掛かると、押し殺している羞恥を酷く刺激される。
 慎吾は自分の袖を噛み、受け入れた利央が動くたびに漏れそうになる声を必死で抑えた。
 いくら仕事が終わったとはいえ、いつも仕事をしているオフィスで行為にいたるなんてと、ガラスに両手をつき色鮮やかなネオンを見下ろしながら思う。

「慎吾さん・・・・・何考えてるの?」
「んぅッ!」

 意識を散らすように風景を視界に入れていると、利央が感じる場所を的確に突き上げてくる。
 目の奥から熱くなり、ネオンが滲んだ。

「もっと、俺のこと考えて? 声、出して・・・・・・」

 低く欲情した声で囁かれ、慎吾はかぶりをふった。
 高校で別れ、大学は別で、なのにこんなところで再会した昔の恋人からの愛撫。
 久しぶりの刺激は強すぎて、昔の様には素直に受け入れられなかった。

「ね、慎吾さん・・・・・・・」

 年を重ねたはずなのに、昔より可愛らしい反応をする慎吾に、利央はあやすようにちゅっと音を立てて、首筋を吸った。

「ヤメッ・・・・・・」

 昔からの性感帯を刺激され、慎吾は体を硬くする。感じすぎるのもあったが、そんな場所に女性が跡をつけることなどないから。ネクタイをしてしまえば見えないだろうが、それでも抵抗感はある。
 常識なのだろうが、それの反応にむっとした利央は、俯いた慎吾の顎を取り、ぐっと自分の体に引き寄せた。

「ヒィ・・・・ぁっ!」

 体内を抉る利央の角度が関わり、目尻に溜めていた涙がこぼれる。温かいそれは頬を伝い、利央の指先を濡らした。
 泣くほど気持ちいいのかと思うと、利央も少しだけ機嫌が上昇する。

「ね、慎吾さん。前、見て。外が暗いからさ、俺たちがはっきり写ってる」

 ぐっと昔からは信じられないような力で顎をつかまれ、慎吾は言われるままに視線を上げた。
 夜の鏡が写している二人、いや慎吾は、例えようもないほど淫らだった。
 頬を上気させ涙を流し、下半身は白く濡れて。男を銜え込んだ場所はそれでも足りないと言っているかのように、激しく収縮している。息を潜めれば、利央は動いていないはずなのに、湿った音が聞こえてくる。

「・・・・、いや、だっ! やめっ・・・・・! アアっ!」

 あまりの羞恥に耐え切れず、視線を逸らそうとする。しかし利央はそれを許さず、限界まで立ち上がっている慎吾のモノを強く握り締めた。

「慎吾さん。ちゃんと見てて、俺にされてること全部。じゃないと、動かないし、イかせてあげないから」

 耳朶を軽く食み優しく囁くが、その内容はとても残酷だった。
 けれど、体の奥が疼いて仕方がない慎吾には、選択肢はない。きっと振りほどいて自分で処理しても、満足できないだろう。犯して欲しくて泣くよりは、死にたくなるような羞恥でも、それを受け入れるほうがましだった。
 溢れてくる涙をどうすることも出来ず、ぼやけた視界に見たくない自分を入れる。

「いい子だね。絶対こっちのほうが気持ちいいから」

 利央は艶っぽく笑って、激しく腰を動かしだす。

「アッ、あ、ひ・・・・・あ! ああぁあ、あっ」

 もう声を抑えることも出来ずに、揺さぶられるままに啼き喚く。声が幾つも木霊しているが、それを気にする余裕もない。
 いやらしい自分の姿を見ながら、利央の全く乱れていないスーツにきつく爪を立てた。高そうな生地に爪あとが残り、ギシギシと小さく音を立てる。
 そのくらい夢中になっているのだろう。喉をくつくつと鳴らした。

「・・・・は、あっ! ンンっ、あ、ふぅ、やぁ・・・・・りお・・・・・りおうっ! 利央!」

 舌ったらずで名前を何度も繰り返す。昔はこれほど余裕を失くすことはなかったが、それは慎吾がイきそうになる時の癖だった。
 体もより一層利央を引きずり込もうとする。

「慎吾さん・・・・・俺もッ・・・・もっ!」
「や、り、おっ! ンああああぁぁあッ!」

 ビリビリと強い電流の様な快感に、慎吾は甲高い声を上げなら達した。

「しん、ごさっ・・・・・・・!」

 その強い締め付けに、利央も本能のままに何度も腰を押付けながら、少し遅れて熱を放つ。

「慎吾さん、離さないからね・・・・・」

 利央が間を置かず、まるで逃がさないと言いたいかのように、ぎゅっと強く抱きしめて宣言する。
 少しだけ不安そうな声は、数年前の利央そのもので。
 慎吾は利央を感じながら、小さく頷き返した。



エチャログその2。
お題がリーマン(エロ)だったので、自然と未来設定に・・・・・。
なので、上下関係が決まってしまっている高校時代よりちょっと変わった感じでー。
そしてタイトル書く時に思うことがあります。
ほんとにコレって18禁なのかなーと。
自分の文字ってあんまり分かんないので、エロくなくても笑って許してやってください(汗)
ニックネーム 朝乃旭 at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | オオフリ:利央×島崎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

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